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本国に帰った友人から車を譲り受けたい

【本日のお悩み】

日本で一緒に働いていた友人が本国である中国へ帰ることになったので、その友人が日本で買った車を譲り受けることになった。しかし、「後の手続きはよろしく!」と言って友人は何もせずに帰国してしまいました。この状況でも正式に車を譲り受けることは出来るのでしょうか?

結論から申し上げると、ご友人の方と今も連絡をとることが出来て、自動車登録移転手続きに関してのご協力を得られるのであれば車を譲り受けることは可能です。

譲渡人であるご友人が外国籍であることや、既に日本にいらっしゃらないということで、通常よりも複雑な手続きとなりますので、このケースでは自動車登録を専門としている行政書士さんにご依頼されることをオススメしておきます。

どうしても自分で手続をする!という場合は、必ず事前に管轄の陸運支局に問い合わせを行なってから書類を集めるようにしてください。

必要書類を揃えられるか?

以下は通常の移転登録を行なう際の必要書類となります。

1.現在の車検証
2.譲渡証明書(旧所有者の実印を押印したもの)
3.旧所有者の印鑑証明書(発行後3か月以内のものを用意)
4.旧所有者の委任状(実印を押印したもの)
5.新所有者の印鑑証明書(発行後3か月以内のものを用意)
6.新所有者の実印
7.車庫証明(警察署による証明された日から40日以内のもの)
8.希望番号申込分の受付番号 ※ナンバープレートの変更時、希望があれば必要
9.手数料納付書
10.OCR申請書(第1号様式)
11.自動車税申告書

これら11項目の内、今回問題となるのは旧所有者に関する以下の書類です。

2.譲渡証明書(旧所有者の実印を押印したもの)
3.旧所有者の印鑑証明書(発行後3か月以内のものを用意)
4.旧所有者の委任状(実印を押印したもの)

これらの書類の何が問題となるかというと、『日本で登録されていて証明書が発行出来る実印がない』ということです。

帰国されたご友人は一緒に働いていたとのことなので、その時は日本に住民票があり、実印の登録をしていれば印鑑証明書も発行されていたはずですが(だからこそ車を購入できている)、帰国された今は日本に住民票がありませんので印鑑証明書も発行されません。

印鑑証明書の代わりになる書類は何か

そもそもなぜ登録を行なう際に印鑑証明書が必要なのかを理解しておくとわかりやすいのでまずはここからご説明いたします。

印鑑証明書を添付するのは、大きく2つの意味があります。

①印鑑証明書に記載の住所にお住まいの◯◯さん本人の印鑑はこれです
②この印影は◯◯さん本人の印鑑に間違いありません

簡単に言うと、氏名・住所・印鑑の特定を行なうことで本人が誰かを確定させ、印影を証明することで、その印鑑で押印されている書類はご本人様が納得して押している書類であることを証明する、ということです。

今回のように日本にお住まいでない方であれば、まず本人の特定が出来ないため、印鑑登録が出来ない、イコール印鑑証明書が出せないという理解でここでは充分だと思います。

では本題の、印鑑証明書の代わりになる書類は何か?ということですが、同じようにご本人様が特定出来て、その押印はご本人様が納得して押したものであることを証明出来るものでなければなりません。

今回のケースでは以下の3つの書類を添付することで印鑑証明書の代わりとします。

1.住民票の除票
2.公証書(サイン証明書)

3.公証書の日本語訳

書類の集め方

今回のご友人はもともと日本在住の方なので住民票があったのだけれど今はない、という状態ですので、この場合は住民票の除票を取得することが可能です。

住民票があった市区町村役場に問い合わせをし、第三者が代わりに取得する手続きの方法を確認して、日本にいる方(今回のケースであれば譲受人である相談者様)が取りに行く流れになるでしょう。

委任状を・・・と通常の委任での手続き方法を案内される可能性が高いですので、ご本人はもう日本に居ない外国籍の者であるということを伝えた上で、正しい手続き方法を教えてもらうようにしてください。

公証書は、譲渡人ご本人様が中国で取得していただく書類になります。
中国での住民票のようなもので、本人を特定するための公的な書類となっていますので、こちらを本人が手続きして取得していただいて、日本に送ってもらうしかありません。

その際に、譲渡証明書と委任状に、中国での住所を記入の上で自筆サイン(公証書で証明された内容での作成が必須)をしていただき、忘れないように合わせて郵送していただくようにしましょう。
書き間違いがあったりすると大変なので、念のため予備と合わせて2枚送っていただいておけば確実です。

送ってきてもらった公証書を元に日本語訳を作成すれば、代替書類の準備は完了となります。

登録へ

新所有者(譲受人)の書類も全て揃え、登録申請書類も問題なく記入できましたら、事前に相談した管轄の陸運支局へ申請に行きましょう。

登録書類の記載方法についてはこちらの動画をご覧ください 

また、車庫証明の取得方法がわからないという方はこちらの記事をご確認ください。
⇨ 『車庫証明申請手続き解説記事カテゴリ 』

こんな場合はご注意ください!

今回の相談者様のケースは、旧所有者(譲渡人)がもともと日本在住の中国の方で、かつ帰国後に手続きを行ないたいというご相談であったためこのような手続きでご案内しておりますが、国が変われば証明書類も代わりますし、帰国前であれば手続き方法も変わります。

本来の手続きから見ればかなりイレギュラーな手続きですので、似たような状況の方であっても、「なんだかんだ出来るみたいだから大丈夫だろう」と安易に考えずに、必ず事前に管轄の陸運局に相談、または専門の行政書士にご依頼することを強くオススメしておきます。

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