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車を譲渡するとき

車を手に入れる場面で一番多いのは車屋さんで新車や中古車を購入するパターンだと思いますが、身内や友人から車を譲り受けたり買い取ったりするという状況になることもよくあることだと思います。

車屋さん経由で手に入れる時は手続きを車屋さんに任せておけばいいのですが、個人間で売買するときなど、どのように手続きをすればいいのかしっかり理解している人は車業界の人でもない限りはかなり少数派だと思います。

この記事では、適正に車を譲渡するためにはどうすればいいのかについて解説していきたいと思います。

売買とは

売買を成立させるためには以下の手順が必要です。

  • 当事者の一方が、目的物を相手方に移転することを約束する
  • 相手方がその対価として金銭を支払う
  • 目的物を相手方に移転する

更に簡単にかみ砕きますと、Aさんが、「あなたの車を買いたい!」と言い、Bさんが、「いいよ売ってあげるよ!」という意思確認をすればそれだけで契約になります。

この契約は契約書を交わさなくても、口頭で双方の意思を確認しただけで成立します。

契約が成立したら、その契約を実行しなければなりません。

BさんはAさんに対して商品代金を支払います。

逆にAさんはBさんに対して商品の引き渡しを行ないます。

これで売買としては有効に成就します。

古着や古本等であればこれだけでも構わないですが、自動車が売買の対象となる場合にはこれだけでは不完全です。

それはなぜかというと、自動車には、土地や建物の登記のように、第三者に対してこれは自分のものだ!と主張できるようにするための登録が義務付けられているからです。

代金を支払って車の引き渡しを受けても、この登録内容を変えていなかった場合、はたから見ればBさんはAさんの車に乗っているだけという風にみなされます。

これは自分の車だ!と主張しても、車の名義がAさんのままだったら残念ながら、Bさんは何を言ってるんだろうねって感じになってしまいます。

また、自動車の売買に関しては本体価格(商品代金)を支払うだけでは足りず、自動車を手に入れること自体に対して、自動車税(環境性能割)が課税される場合もあり、非課税であった場合も税申告をしなくてはなりません。

所有者登録をしよう!

自動車を売買したり譲り受けた時は、所有者登録をしなければなりません。

所有者登録を変更してようやく、自分の車になったと名実ともに言えるようになるのです。

車屋さんを経由せずに売買や譲渡をした場合は、自分でこの登録を行なうか、行政書士に依頼して登録してもらうか、の2択になります。

管轄の陸運局に申請に行かなければならないので、行政書士に依頼する場合は、自分の住んでいる地域の行政書士を探す方が良いでしょう。

とはいえ行政書士なら誰でも登録の専門家というわけではないので、お住まいの地域に自動車登録を専門としている行政書士がいない場合には、くるまめにご連絡いただきましたらその地域で対応可能な専門家を紹介することも可能ですのでお気軽にお問合せください。

平日の日中に陸運局へ行くことが出来るし自分でやってみよう!という方は、『移転登録申請』という手続きを行なうことになりますので、こちらの記事を参考にして、手続きを頑張ってみてくださいね。

自動車移転登録はこちら⇒『移転登録

移転登録申請の申請書の作成方法については動画でも解説していますので、より簡単に知りたい!という方はこちらの動画をごらんください

ご覧になられた方は是非、いいねとチャンネル登録もお願いします!

所有者が変わったことを登録しなかったらどうなるの?

前項でも少し触れましたが、所有者が変わったことを適正に登録しなければ、その車は登録されている所有者のものだという風にみなされます。

例えば、登録上はAさんの名義のままBさんはAさんにお金を支払って車を受け取り、乗っている状況があったとします。

その期間に、知人Cに車を貸してと言われたので貸したら、そのまま借りパクされたとしましょう。

(借りパク・・・借りたものを返さずに自分のものにしてしまうことの意)

当然BさんとしてはCさんに対して車を返せ!!と言うと思いますが、それでも全然返してくれないので警察に届け出ようと思っても、Bさんがそもそも法的には所有者ではないので、警察からすれば、BさんもCさんと同じでAさんから借りパクしている人なのかもしれないと疑わなければならなくなってしまします。

このように、第三者に対して自分の物であるという主張が出来なくなってしまうというのが一番大きな痛手だと思います。

最悪な場合でいくと、Aさんが実はめちゃくちゃ悪い人で、この所有権の対抗要件について知っていた上で、移転登録を行なわずにBさんに自動車を売り渡し、裏でこっそりDさんに同じ自動車を売る話を持ち掛け、Dさんに所有者をDさんとする移転登録をしたとします。

その後、BさんはDさんから直接車を返せ!と言われたら、これは自分の車です!と言っても通用しないということです。

Aさんに騙されたということを立証できれば最終的になんとかなる場合もありますが、その瞬間的な立場としてはめちゃくちゃ弱くなるということをしっかり理解しておきましょう!

また、所有権の主張ができないということ以外では、税金の問題もあります。

自動車税(種別割)は、登録されている情報を元に請求されます。

Bさんに自動車を売り渡したにも係わらず、所有者をBさんにする移転登録をしていなかった場合、いつまでもAさんに自動車税(種別割)の請求書が届きます。

もう売ってしまって自分のものでもなくなった車の税金の請求書だけがいつまでも届いたら・・・AさんとBさんが揉めるのは想像に難くないですよねw

まとめ

怖い話をたくさん書いてしまいましたが、車検証に登録されている情報と現状が変わってしまった時に登録情報を放置していていいことなんて本当に1つもありません!

車を売ったり買ったり譲ったり貰ったりした時は、身内同士であっても必ず所有者変更のための移転登録申請をするようにしてください!!

また、ここまでは知り合いから購入した場合を前提として書いてきましたが、無償で譲渡された場合でも移転登録申請をしないといけないのは同じことです。

ただし無償譲渡の場合は、贈与税が発生する場合がありますので税金面で問題がないかどうかをしっかり税務署か税理士さんに確認するようにしてくださいね!

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