車を廃車・解体するとき
愛車を廃車・解体するって悲しい響きの言葉ですが、車を所有した以上、いつか別れはくるもので、長く乗り続けた愛車ほど、避けては通れなくなる道です。
大切に乗り続けた車だからこそ、しっかり見送ってあげたい。
そんな別れの時を迎えた時にどうすればいいのかについて解説していきます。
廃車・解体の流れ
長年乗り続けてあちこちにガタがきたので業者に買い取ってもらおうと思ったら値段がつかなかった時や、交通事故に遭ってしまい(起こしてしまい)、車を全損したとき等にマイカーは廃車や解体の時を迎えます。
車そのものを廃車や解体にすること自体は資格を持つ解体業者にお願いすることになるのですが、工程としては概ね以下のいずれかの流れとなります。
【ケース1】
陸運局にて一時抹消登録申請 → 解体 → 陸運局にて解体の届出
【ケース2】
解体 → 陸運局にて永久抹消登録申請
ケース1では、陸運局にて抹消登録申請をしてから解体作業を行ない、解体が完了したらその完了の報告を陸運局へ届出して手続きは終わりです。
ケース2はもっとシンプルで、先に解体作業を行なってから、陸運局へ抹消登録申請と解体完了報告を同時に行なうことで手続きは終わりです。
それならいつもケース2で申請した方が良いのかというと一概にそうとも言えません。
例えばケース1の場合は、陸運局での手続きは二度手間になりますが、一時抹消登録を行なった時点で車にかかっていた自動車税(種別割)のカウントが止まり、解体完了報告にて重量税のカウントが止まります。
一方でケース2の場合は、陸運局での手続きは一度で済みますが、永久抹消登録が完了した時点で車にかかっていた自動車税(種別割)と重量税のカウントが止まりますので、既にスクラップになってこの世に車として存在していなくても、永久抹消登録がなされない限りは税金のカウントは進み続けてしまいます。
抹消登録と解体を行なうという内容自体は同じことなので、どちらの方法で一連の登録申請を行なっても問題はありませんが、還付金(自動車税や重量税)が発生するケースでは、手続きのタイミングによってその金額が減ってしまうことがあるということに留意しておきましょう。
また、一旦自動車税のカウントだけストップしておいて、廃車・解体をするかどうかは後からゆっくり考えたい場合は一時抹消登録のみ行なっておくこともひとつの方法です。
『一時抹消登録』は別の記事にて解説していますので、こちらをご覧ください⇒『 抹消登録 』
動画での解説はこちら⇒『 とくとめ行政書士ch 』
解体の届出をやってみよう!
『解体の届出』を行なう場合、前述の通り、先に一時抹消登録を行なう必要があります。
その後、解体業者に車の解体を依頼し、解体完了を確認した後、陸運局で解体の届出を行ないます。
届出に行く陸運局は管轄陸運局に限定されないので、どこの陸運局でも届出が可能です。
解体完了の確認については、解体業者が完了日の報告を自動車リサイクル促進センターが運営するサイト(自動車リサイクルシステム)に入力することで、このサイト上で確認できるようになります。解体完了報告日が表示されていないと、届出を行なっても受理されません。
自動車リサイクルシステム http://www.jars.gr.jp/gus/exju0010.html
一時抹消登録を行なった時点でナンバープレートの返納も済んでいるため、登録窓口で書類一式を提出し、交付窓口より手続き完了のお知らせの書面を受け取れば完了です。
解体の届出を行なう場合の必要書類
1.登録識別情報等通知書(一時抹消登録時に受け取る通知書)
2.手数料納付書
3.OCR申請書(第3号様式の3)
2の手数料納付書についてですが、この申請に係る手数料は無料なのですが、0円として申請し、他の項目を記入したものを用意しなければなりません。
3の申請書には、『移動報告番号』の記入が必須です。
自動車リサイクルシステムで使用済自動車処理状況検索のページで確認できます。
重量税還付申請を伴う場合は、振込先口座の記入も必要となります。
2と3の書類については、陸運局等の窓口に備付けの用紙がありますのでそちらで取得してください。
行政書士に解体の届出を依頼する場合の必要書類
1.登録識別情報等通知書(一時抹消登録時に受け取る通知書)
2.所有者の委任状
(3)手数料納付書
(4)OCR申請書(第3号様式の3)
基本的には自分で行なう際と変わりませんが、行政書士に依頼をする場合は代理人申請になりますので、委任状が必要となります。
3・4については、行政書士が作成する書類となりますので準備は不要です。
永久抹消登録をやってみよう!
永久抹消登録を行なう場合は、車の管轄地域の陸運局で申請を行ないます。
事前に解体業者に車の解体を依頼し、自動車リサイクルシステムで解体完了を確認した後、陸運局で永久抹消登録申請を行ないます。
ナンバープレートを持ち込んで返却窓口にて返納後、永久抹消登録申請を行ない、交付窓口より手続き完了のお知らせの書面を受け取れば完了です。
自分で永久抹消登録を行なう場合の必要書類
1.現在の車検証
2.所有者の印鑑証明書(発行後3か月以内のものを用意)
3.所有者の実印
4.手数料納付書
5.OCR申請書(第3号様式の3)
2の印鑑証明書に記載されている現住所や氏名・名称が車検証の記載内容と変わっている場合は以下の書類が追加で必要になります。
・個人で住所が変わっている場合
→変更内容の確認できる住民票等(発行後3か月以内のものを用意、マイナンバーの記載されていないもの)
※車検証に記載されている住所から現住所までの繋がりを示すために必要なので、住民票上の記載内容によっては住民票除票や戸籍の附票を追加する必要があります。
・個人で苗字が変わっている場合
→戸籍謄本等(発行後3か月以内のものを用意)
・法人で会社名や所在地が変更になっている場合
→商業登記簿謄本等(発行後3か月以内のものを用意)
4の手数料納付書についてですが、この申請に係る手数料は無料なのですが、0円として申請し、他の項目を記載したものを用意しなければなりません。
5の申請書には、『移動報告番号』の記入が必須です。
自動車リサイクルシステムで使用済自動車処理状況検索のページで確認できます。
重量税還付申請を伴う場合は、振込先口座の記入も必要となります。
4・5については、陸運局等の窓口に備付けの用紙がありますのでそちらで取得してください。
行政書士に永久抹消登録を依頼する場合の必要書類
1.現在の車検証
2.所有者の印鑑証明書(発行後3か月以内のものを用意)
3.所有者の委任状(実印を押したもの)
(4)手数料納付書
(5)OCR申請書(第3号様式の3)
基本的には自分で行なう際とほとんど変わりませんが、行政書士に依頼をする場合は代理人申請になりますので、委任状が必要となります。
4・5については、行政書士が作成する書類となりますので準備は不要です。
まとめ
廃車・解体をすると、重量税の還付金と自動車税(種別割)の割り戻し金が受け取れる場合があります。
使っていない車にいつまでも税金を払い続けるのはもったいないので、乗らなくなった(乗れなくなった)車は、永久抹消か少なくとも一時抹消の手続きをしておくことをお薦めします。
そもそも、解体と申請をまとめてやってもらえる業者もあるので、そちらにお願いするのが圧倒的に簡単です。
解体業者を探す際には、抹消手続きもそちらにお任せできますか?と確認しておくと良いでしょう。