自動車の新規登録について
自動車の登録に関する知識などない方が、必要に駆られてやむにやまれず、手続きをしなければならなくなった時の困ったを解決するページの『新規登録編』です。
わかりやすさを優先するためにあえて専門家の使う用語の意味とは違う、一般的な言い回しで記事を書いてあります。
これから専門家となる予定の新人行政書士さんは間違って覚えては大変なので読まないようにしてくださいw
車を入手した時に、この車は自分の物ですということを公的に証明するために自動車登録に関する手続きを行なわなくてはなりません。
家やマンションを購入した時に行なう建物登記と同じようなものです。
登録を行なうと、家やマンションの場合は登記簿(建物履歴事項証明書)に自分の名前が記載されるように、自動車では『車検証』に自分の名前が記載され、そのことによって、この車は自分の物ですと証明できるようになるのです。
自動車を入手する方法で最も一般的なのは、車屋さんで購入するというケースだと思います。
車屋さんで自動車を購入した場合、手続きのほとんどの部分を車屋さんが行なってくれるので実際にどんな作業が行なわれているか知っている人はほとんどいないと思いますが、この場合もたいていは『新車新規登録』か『中古車新規登録』が行なわれています。
『新車新規登録』と『中古車新規登録』の違い
タイトルそのままなのですが、買った自動車が新車か中古車かの違いです。
新車の新規登録はわかるけど、中古車なのに新規登録なの?と不思議に思われた方もいるかもしれません。
ここでいう新規とは自動車ではなく登録に係る言葉なので、新たに登録をする場合は新車であろうと中古車であろうと『新規登録』というくくりになるというわけです。
となると、ますます中古車だったら前のオーナーさんが既に登録しているのだから新規登録じゃないんじゃないの?と察しの良い方は思われたことと思いますので、なぜ中古車が新規登録になるのかについて説明してみたいと思います。
なぜ中古車が新規登録になるのか?
中古車には2つの状態があります。
- 前のオーナーの名義のままでまだ道路を走れる状態のもの
- 前のオーナーの登録を抹消していて道路を走ってはいけない状態のもの
もう少しかみ砕くと、1はまだその自動車に有効な車検証がある状態で、2は既にその自動車には車検証がない状態ということです。
車検証がある1の自動車を購入する場合、車検証の名義を前のオーナーから自分に変える、一般的には名義変更と呼ばれる登録になりますが、正式には移転登録といいます。
移転登録については、こちらの記事をご参照ください⇒『 移転登録 』
車検証のない2の自動車の場合、その中古車に対して新たに車検証を作成する形になるので中古車新規登録になるというわけです。
なんでわざわざ登録を抹消したりするのか?についてはこちらの記事で解説していますので興味のある方はこちらをご一読いただければと思います⇒『 抹消登録 』
新規登録に必要な書類とは?
一般的には個人の方がご自身で新規登録を行なうことはほぼないでしょうから、新規登録の際にご自身や車屋さんで用意する書類だけを挙げておきます。
1.印鑑証明書
2.委任状(実印を押印したもの)
3.車庫証明
4.自賠責保険証明書
5.希望番号申込分の受付番号 ※希望があれば
1の印鑑証明書は、市役所等にて取得していただきます。
2の委任状は、ひな形が各運輸局にて公開されています。プリントアウトしたものに必要事項を記入します。
近畿運輸局はこちら⇒ https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000156853.pdf
3の車庫証明は、警察署にて取得します。取得方法はこちらの記事をご参照ください⇒『車庫証明』
4の自賠責保険証明書は、保険代理店(車屋さんはたいてい代理店です)で申し込む、または、陸運局内で自賠責保険契約窓口がありますのでそちらで申し込めます。
5の希望番号は、インターネットでの申し込みか、陸運局内の標板交付窓口で申し込めます。ただし、申込後交付まで数日かかります。
なお、ローン契約やリース契約で自動車を購入する場合は、印鑑証明書の代わりに住民票で代用することも可能です。
また所有者と使用者が異なる場合は状況に合わせて用意する書類が変わってきますので、個別に確認いただくことが必要です。
所有者と使用者の違いについてはこちらの記事をご参照ください⇒『 よくある質問 』
新規登録になる場合はいずれにしても車屋さん経由で手続きは行なうことになるので、一般の方がご自身で手続きをすることはまずないかと思います。
そのため、直接ご用意いただく書類は実質、印鑑証明のみとなります。
車検証ができるまで
手数料納付書と自動車重量税納付書を運輸支局構内で入手し、売店にて印紙を購入・貼付する。OCR申請書(1号様式)と共に、必要事項を記入する。
希望番号があればナンバープレート申請窓口にて、希望番号予約済証を受け取る。
登録申請窓口にて、必要書類一式を揃えて提出する。
しばらくの待ち時間の後、交付窓口から車検証が交付されるので、税事務所にて自動車税を納付する。
ナンバープレート窓口にてプレートを購入(希望番号があれば受け取り)。
プレートの取り付け、封印を行ない完了。
まとめ
このようにして車検証が出来上がって、あなたの元に購入した自動車が納車されてきます。
普段は車屋さんにお任せしている自動車の新規登録ですが、何を行なっているのか全体の流れや意味がわかるとなんとなく自動車だけではなく車検証にも愛着がわいてくるでしょうか?
この豆知識がみなさんが自動車ライフを楽しむ一助となってくれれば私も嬉しいです。